ネット上で場を荒らす人ってどんな人なのかを調べた研究!

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今回はネット上で荒らしをする人たちについてです。

 

みなさんはそういう人たちにどんなイメージを持っていますか。

 

「さぞつまらない人生を送っているのだろう」なんて、僕は思っていました。

 

というのも、「そんなことをやっている暇があるなら、自分のためになることをやればいいのに」と思っていたからです。

 

でも、今回の研究を見てみると実は僕もネット上で荒らしをやらないにせよ、実生活で同じようなことをやっているかもしれないということに気が付かされました。

 

その理由は・・・

  

荒らしをする人って!?

スタンフォード大学ジャスティン・チェンたちは、ネット上で荒らしをしている人たちは普通の人なのか、それとも反社会的的な人なのかを突き止めようとした。

 

実験では、667人の被験者たちにオンラインで論理的なクイズ、数学クイズ、文章問題、などの5分間クイズを解いてもらった。

 

被験者たちの半数には簡単な問題を解いてもらい、もう一方の半数の反芻の被験者たちには難しい問題を解いてもらった。

 

例えば、簡単な問題は「PAPHY」を正しく並べ替えて「HAPPY」にし、難しい問題は「DEANYON」を並べ替えて「ANNOYED」にするといった具合。

 

クイズが終わった後、簡単なクイズを解いた被験者たちには成績が良く、平均以上だったというフィードバックを与え、難しい問題を解いた被験者たちには成績が悪く、平均以下だったというフィードバックを与えた。

 

ちなみに、このクイズの目的は被験者たちの機嫌を良くする、あるいは悪くすることだった。

 

それから、そのままの感情の被験者たちに、匿名でオンライン討論会に参加してもらった。

 

討論のテーマは2016年アメリカ大統領選で、被験者たちは女性がヒラリー・クリントンに投票すべき理由を説明する記事を読まされた。

 

そして、その記事の下にはコメント欄があり、そこに並んだ最初のコメントの3件は、中立的か否定的なものかのどちらかだった。

 

実はそのコメントは、実際のオンライン討論会から抜粋したものだった。

 

例えば否定的な荒らしによる投稿は、「ああ、そうだ。是非とも裏切りに一票を、うそつきで、虐待もいとわず、間もなく重犯罪になる人を次の大統領に。あなたの娘のためにそうしよう。あなたは素晴らしいお手本だ」。

 

一方で中立的で前向きな投稿には、「私は女性ですが、彼女が女性だからという理由で女性に投票すべきだとは思えません。彼女がふさわしいと信じるなら、彼女に投票してください」というものがあった。

 

その結果、オンラインディスカッションをシミュレートする実験を通じて、機嫌の悪い被験者は機嫌のいい被験者よりも場を荒らすコメントをし、他の人が場を荒らす投稿にさらされるとそれが顕著になっていた。

 

機嫌の悪い状態で否定的な文章を読まされた被験者の投稿のうち、68%が場を荒らし、機嫌のいい状態で普通のコメントを見た被験者(35%)に比べ、荒らす確率が2倍になることがわかった。

 

この理由は2つあるみたいです。

 

1つ目は社会的伝染と呼ばれるもので、人間は周囲と同じ行動をとりやすくなるのです。

2つめは正常化と呼ばれる概念で、大勢の人たちがしたがっていれば悪い結果にはならないと思ってしまう心理現象です。

 

研究者たちは、「伝染のメカニズムを明らかにする、これまでの研究によれば、被験者たちの投稿に対する第一印象が不快なものであったとしても、自制心と周囲の状況から自分の気持ちをあからさまに表現する可能性は低い。しかし、否定的な意見が出ているのは他の人たちも同じような反応をしている証拠であり、そういった反応をすることがやはりその場では相応しいものになる。それだけではなく、不機嫌であれば、投稿から一層敵対的な感情をを読みやすくなり、自己制御もしづらくなるため、被験者は感情をさらに露わにするようになる。また個人の荒らし歴を調べるより機嫌と討論の内容とを組み合わせたほうが荒らしの好意うまく説明できる」と述べている。

 

つまり、性格ではなく状況だということです。

 

ちょっと一言

ということで、荒らしは誰でもやってしまう可能性があるのです。

 

要するに、人間って思った通りにいかないとむしゃくしゃして誰かにあたるのです。

 

で、多分これはネット上だけでなく現実の世界でもよくあります。

 

例えば、朝奥さんとケンカして、会社で昨日はOKを出した資料を部下に作り直させたりということもあり得ます。

 

ようは、うまくいっていない時ほど、人間は攻撃的になってしまうのかもしれません。

 

僕自身も思い当たることがたくさんあります。

 

毎日、やることをやるだけで1日が消えていき、本当はもっと本が読みたかったとか映画が見たかったとか思ったりして、時間をうまく使えていない自分に腹が立ったります。

 

で、多分人間って自分が常に正義だと思っているので誰かを攻撃していてもそれがわかっていないことが結構あります。

 

僕もどこかで人に当たっていないかと自分でこれから意識するようにしています。

 

とはいっても、今の能力しかない自分をすぐに2倍3倍の能力に変われるわけがありません。

 

そこで、一番大事なのがセルフ・コンパッションという考え方です。

 

これは「ありのままの自分を受け入れる」ことです。

 

そうすることができれば、上の実験で平均点以下だろうが、コメントを荒らそうと考えに至りません。

 

ということは、実生活でもうまくいかなかったときでも攻撃的にならないで済むのです。

 

ちなみに、怒りのメリットはほぼありませんので、攻撃的になるだけで間違った判断をしてしまうこともあるかもしれません。

 

ですが、セルフ・コンパッションの考え方を身に付けておけば、冷静でいられるのです。

 

興味のある方は、おススメのセルフ・コンパッションの本を何冊か紹介するので、良かったらチェックしてみてください。

 

 

 

 

 さらに、ありのままの自分を受け入れて、さらに高みを目指したいという方は、「突破力」という本がおススメです。

  

 

参考文献

Anyone Can Become a Troll: Causes of Trolling Behavior in Online Discussions