一見組織は序列がない方が良いように思えるが、やっぱりあった方が協力ができるという研究!

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今回は序列化された組織のメリットについてです。

 

一般的に、階級制度って聞くとあまり良いイメージがないかもしれません。

 

というのも、どうしても会社などの組織は上から下に向かって命令をするような感じがあるからだと思います。

 

ただ、だからといって、階級制度にメリットがないわけではありません。

 

もちろん、良くないところは直すべきだと思いますが。

 

階級制度は生物にとって必要なもの!?

ワシントン大学のスチュアート・バンダーソンたちは、階級制度のメリットを精査し、適切に設計された階級制度なら、一般的に思われているマイナスのイメージとは裏腹に組織内での学習やイノベーションが促進されると主張した。

 

研究者たちは、「序列化された組織行動の基に行動する種は多く、そこには種にとって重要なタスクを行うための大事なメリットがある」と言う。

 

そして、「階級制度は特定の集団に所属する人々の新しい道を見つけるための助けになる。野生動物の存続の助けになるのと同じだ。強い反発によって集団の進歩や団結が脅かされたとしても、階級制度があれば全員が同じ方向に進み続けることになる」と結論付けている。

 

確かに、動物の世界では階級制度が存在していますよね。

 

じゃあ、人間にもそっくりそのまま当てはめればいいのかというと、そうではないみたいです。

 

序列化された方が協力し合える!

アムステルダム大学のリチャード・ロネイたちは、階層的差別化の心理的および生物学的前兆と、その結果として生じる生産性と小グループ内の対立の結果を調べた。

 

た実験1では、階層的に区別されたグループに分けた。

 

つまり、全員が高い権限だけを持つグループ、権限が低い人だけを集めたグループ、そして上下関係を明確に定めたグループベースライン個人を含むグループに分けた。

 

研究者たちは、各グループに2つの課題を愛を与え、そのうち1つは、協力が必要なものだった。

 

その結果、メンバ―間で協力を必要としないタスクについては、どのグループも大差はなかった。

 

ところが、タスクを完了させるのにメンバー間の協力やまとまりが必要になった途端、状況が変わった。

 

序列がはっきりしているグループの方が、他の2つのグループに比べ、大きい成果を上げた。

 

実験2では、優性動機の生物学的マーカー(桁の長さの比率で測定される出生前のテストステロン曝露)を使用して、階層ごとに分けた。

 

テストステロン曝露が高い人たちだけで構成されたグループ、その値が低い人たちだけで構成されたグループ、そして様々な値の人が入り混じっているグループに分けた。

 

この実験では、与えられた課題に取り組んでいる時のグループ内での衝突を測定した。

 

その結果、混合テストステロングループは、すべての高テストステロンまたはすべての低テストステロンのグループよりも突出して高い生産性を達成した。

 

さらに、グループ内の対立は、高テストステロングループは、グループ内での衝突の回数が他の2つのグループよりも多く、生産性の低下の原因を招いた。

 

一方で、低テストステロングループは対立をしなかった。

 

ちょっと一言

ちなみに、テストステロンは男性ホルモンで自信のもとになるものです。

 

このホルモンの程度にばらつきがあった集団だとうまくいきそうなんですね。

 

たとえて言うなら、ジャイアンばかりのグループでものび太ばかりのグループでもうまくいかないのです。

 

やっぱり5人が揃うことで機能を果たせるのだと思います。

 

まぁ、ドラえもんでたとえるのはいいのかどうかわかりませんが、何となく伝わればいいです。

 

参考文献

The Truth About Hierarchy

The Path to Glory Is Paved With Hierarchy