知能が高くても自分の意見を正当化するためだけの根拠を並べ立ててしまうマイサイドバイアス!
今回はバイアスについてです。
バイアスというのは思い込みのことです。
で、普通に考えれば、思い込むの人ってそんなに頭のいい人ではないかと思いますよね。
ですが、こんなことを思ったことはありませんか。
良い大学を出ているのになんかおかしなことを言っているような気がする人の話だったりと。
要するに、考え方が偏っている人のことです。
実は、バイアスって知能とは関係がないのです。
むしろ、知能が高いほうがバイアスにかかりやすかったりします。
マイサイドバイアスの罠!
ハーバード大学のデビッド・パーキンスたちは、賢い人は相手の意見や視点を考えて議論するかどうかを調べた。
まず、学生たちに時事問題に関するいくつかの問いを投げかけた。
例えば、「核軍縮は世界大戦の可能性を低下させるのか」などという設問があった。
これは本当に合理的に考える人なら、賛成と反対の両方の立場で考えるはず。
その結果、知能の高い学生は他の学生と比べて、別の視点から考える傾向が強いわけでないことがわかった。
例えば、核軍縮に賛成の人は、全加盟国が協定を遵守すると信じていいのか考慮に入れていなかった。
抽象的思考力と事実的知識を使い、自分の見解を正当化するための根拠を並べ立てていただけだった。
さらに、法律論争で相手方の視点を検討するように叩き込まれているはずの法学部の学生ですら、調査でのパフォーマンスはかなりひどかった。
こういうのを心理学では確証バイアスといいますが、研究者たちは自らの見解を補強するために、他の見方を否定する様々な戦術の総称として「マイサイドバイアス」という広範な表現を使った。
その後、研究者はこの発見を最も重要な1つに挙げています。
研究者は、「問題を別の視点から考える、というのは論理的思考のお手本と言える。ならばなぜ、高いIQをもち、反対意見を予想しながらモノを考えることを叩き込まれている法律家の卵が、一般の人と同じように確証バイアス、あるいはマイサイドバイアスの罠にはまるのか。このような問いは、知能とは何かという既成概念を根底から揺さぶるものだ」という。
ちょっと一言
学校の勉強ができたからと言って、バイアスにかかると愚かな行動をとってしまいかねません。
というか、知識がある分自分の意見を正当化してしまいがちな面も多々あります。
だから、「頭が良いのに、何であんなことをしてしまったのだろう」という人もいます。
一方で、僕みたいに一般的なIQの高さでもいろんな視点を持っていれば、いわゆる賢いとされる人たちを出し抜くことができるのです。
じゃあ、実際にどうするかというと、クリティカルシンキングというテクニックを学べばいいのです。
要するに、自分の考えに批判的に考えればいいのです。
で、普通の人は自分が思っていることが正しいと思っているので、違うことを言われると自分の意見を正当化しようとします。
だから、バイアスにかかるのです。
ですが、自分の考えに批判的になっていれば、バイアスにはかかりにくくなります。
結果的により良い判断ができるようになるのです。
クリティカルシンキングのやり方は本やネットにたくさんあるので色々試してみるといいと思います。
ちなみに、クリティカルシンキングは自分の視点を変え続けていくことが重要なので、方法も慣れてしまったら別の方法を試すとまた新しい発見ができると思います。
クリティカルシンキングはその繰り返しに尽きると思います。
参考文献
Everyday reasoning and the roots of intelligence.
Outsmarting IQ: The Emerging Science of Learnable Intelligence Hardcover – March 1, 1995
Dispositional Aspects of Intelligence