クリエイティブな仕事をしたければチームでやるより個人の知識の幅を広げた方が良い!
今回はクリエイティブな仕事ができる環境です。
一般にアイデアは一人でいる時の方が出やすいです。
そして、みんなで個々のアイデアを出し合うと良いアイデアが生まれやすいと言われています。
今回はアメリカのコミックを対象にして、売れたコミックってどんな人たちが作ったの?という研究を紹介します。
クリエイティブな仕事ができるのはチームか個人か?
ダートマス大学のアルバ・テイラーたちは、個人の知識の幅の広さがクリエイティビティにどんな影響を及ぼすか検証した。
対象にしたのはコミック本。
ちなみに1950年代中ごろから1970年代にかけて、コミック制作者たちは自己規制をせざるを得なかった。
その理由として、精神科医のフレデリック・ワーサムが子どもたちがマンガを読むと社会から逸脱すると、議会で説得したからだ。
ただ、この研究結果は一部ねつ造や操作をしていた。
ところが、1971年にマーベル・コミックがこの流れを変えた。
米国保健・教育・福祉省が、マーベルの編集長スタン・リーに、薬物依存の影響について教えるためのマンガを描いてほしいと依頼した。
編集長はスパイダーマンのストーリーを使って、主人公のピーター・パーカーの親友が薬物を過剰摂取するというストーリを描いた。
業界の自主検閲機関は、「コミック倫理規定委員会」は、これを承認しなかったが、マーベルは出版した。
この漫画の評判がすごく良かったため、自主検閲の基準はすぐに緩められた。
そこから、コミック業界は、どんどんクリエイティブなマンガを生み出していった。
研究者たちはコミック制作者たちのキャリアを追跡し、この時期以降に234社の出版社から発売された何千冊ものコミックを分析した。
ちなみに、コミック本1冊には、1人または複数のクリエイターが関わっていて、ストーリーやセリフ、柵が、レイアウトを担当していた。
研究者たちが調べたかったのは、こうしたクリエイターのどんな要素がコミック本の商業的価値を高めるのか、またどんな要素が大失敗したり、大ヒットしたりする作品につながるのかということだった。
その結果、一定期間により多くの作品を制作することはマイナスの影響を及ぼしていた。
また、経験年数には何のインパクトもなかった。
一方で、プラスになったのは仕事をし過ぎないことに加えて、コミックの223のジャンルのうち、クリエイターがいくつかのジャンルに関わったことだった。
コミックのジャンルには、コメディーや犯罪、ファンタジー、アダルト、実話、SFなどがあったが、経験年数がクリエイターの差別化につながらなかった一方で、クリエイターのジャンルの幅が広いと差別化につながった。
幅広いジャンルを経験しているクリエイターは、平均的に商業的価値の高いコミックや革新的なコミックを生み出していた。
さらに、研究者たちはクリエイター個人とチームの比較もした。
最初の時点では、クリエイター個人の革新性は、チームの革新性より低く、大ヒットを生み出す可能性も低かった。
ところが、クリエイター個人の経験の幅が広がると、チームの革新性を上回るようになった。
そして、4つ以上のジャンルに取り組んだ経験があるクリエイターと、チームメンバーの経験ジャンル数の合計がそのクリエイターと同じチームを比較した場合、革新性はそのクリエイターの方が高かった。
研究者たちは、「個人はチームに比べて、様々な経験をよりクリエイティブに統合できる」と言う。
ちょっと一言
なんか意外でしたね。
普通、マンガってみんなで協力して作るものだと思っていたので。
ただ、これからの時代は個人がみんなクリエイターになれるのです。
その時に一緒に仕事ができる人がいなくてもいいのです。
というか、むしろ一人の方が良いのです。
ブログでも動画でも、とにかくいろんなジャンルに挑戦してみることがクリエイティブになれる第一歩です。
それは読書や映画鑑賞なども複数のジャンルに触れておくのもいいと思います。
多分、クリエイティブになれるのはそういうものが自分の中で混ざり合った時です。
参考文献
Superman or the Fantastic Four? Knowledge Combination and Experience in Innovative Teams