高齢になると認知能力は衰えるが、自己評価は高まっていくのか!?
今回は歳をとることについてです。
「歳をとる」ってあまり良いイメージがないかもしれません。
そして、どういうわけだか歳をとるたびに不幸への階段を上っているかのように感じている人もいるかもしれません。
僕もそう思うところがあります。
歳をとれば、今より思ったように動けなくなるんじゃないかとか、病気になりやすいんじゃないかとか思ってしまいます。
だから、健康に気を使ってできるだけ運動をしたりしているのです。
ですが、どうやら歳をといるにつれて劣っていく部分も確かにありますが、逆に上がっていく部分もあります。
それは裏を返せば、若い人たちには少ないのかもしれません。
実は老人たちは今の自分が好き!?
カリフォルニア大学サンディエゴ校のディリップ・ジェステたちは、60歳以上の200人に電話をかけ、自分が豊かな年齢の重ね方をしているかどうかを、0から10までの数字で評価してもらった。
その結果、平均の評価値は8以上で、ほとんどの人が7から10までの評価をつけていた。
豊かな年齢の重ね方をしていると自分で評価した人は、年齢が上がるにつれて増えていた。
さらに、研究者たちは大規模な調査を実施し、無作為に1300人を対象者に、自分の全般的な健康状態、抑うつや不安の度合い、記憶力や認知能力、体と心の健康などを評価してもらった。
調査対象となったのは50歳から99歳までの人で、平均年齢は77歳だった。
2013年、アメリカン・ジャーナル・オブ・サイカイアトリー誌に掲載された調査報告では、「高齢者は身体と認知能力は衰えるが、私たちの推測とは異なり、高齢者の自己評価は高かった」と書かれている。
50代の人は7.5程度と評価し、60代の人は8程度、そして年齢が上がるに評価も上がり続けた(90代まで)。
それは深刻なものでない限り、ちょっとした病気や不調は問題ではなかった。
さらに、深刻な病気を抱えていても、良い評価をつけている人もいた(がんの転移が見つかった人も9をつけていた)。
そして、教育、財政状況、民族性など、他の要因が評価を挙げているわけではないことを確かめるために、統計で調整を行ったところ、それらが要因ではないことがわかった。
ちょっと一言
なんだか歳をとりたくないと思っていても、実は歳をとった方が自分が好きになれるという意外な事実でした。
今の自分が好きじゃないと思う人は、それは若いっていう証拠かもしれません。
年齢が上がると、自己評価が上がるなんて不思議ですね。
参考文献
Correlates of self-rated successful aging among community-dwelling older adults
Association between older age and more successful aging: critical role of resilience and depression
Paradoxical Trend for Improvement in Mental Health With Aging: A Community-Based Study of 1,546 Adults Aged 21-100 Years