自分の大事な価値観を3つくらい挙げ、その理由を簡単に説明して何度か思い出すだけで成績が上がる!

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今回はステレオタイプの脅威から脱却する方法です。

 

これから紹介する研究は黒人に対して行われたものです。

 

黒人は学校でマイノリティ集団で勉強ができないと自分自身でステレオタイプを持ってしまうようなのです。

 

「じゃあ、日本人の自分にとっては関係ない」と思われたかもしれませんが、僕が思うにステレオタイプはそこらじゅうにはびこっています。

 

例えば、体型が悪い、髪の毛が少ないなど・・・「だからもてない」とか。

 

これも立派なステレオタイプです。

 

では、どうすればいいか、黒人の中学生の研究を見てみましょう。

 

重要な価値観とその理由を書くだけで!?

スタンフォード大学のジェフリー・コーエンたちは、教育現場のステレオタイプの脅威は基本的に自己肯定化理論(自分は適応力があり道徳的であると見なす)において自己イメージが壊れる脅威(自分は道徳的かつ適応力があるという生徒の意識下を脅かすもの)と似ていたと考えた。

 

ちなみに、自己肯定化理論がならんかの失敗によって脅かされると良いイメージを取り返そうとするのです。

 

そして、この脅威から簡単に回復させることができるのです。

 

それは、より大きな価値のある自己認識を持つことです。

 

これで古い自己イメージから回復できるのです。

 

そして、教室という環境における驚異のサイン(見下されているマイノリティ集団に属していることや、自分が疎外された存在であると思ってしまう別の学生団体など)は、自分は誠実な人間だという自己認識を脅かしている可能性があります。

 

このように、ステレオタイプの悪影響は現実の教室で起こり、ずっとそういう生徒の自信と帰属意識を動揺させていると、研究者たちは仮説を立てたのです。

 

そのうえで、研究者たちは能力に対してステレオタイプを持っている学生にも、自己肯定的なナラティブ(自分の自由で主体的な物語)を構築する機会を与えれば、教室で感じる脅威が減るかもしれないと考えた。

 

研究者たちは、コネチカット州ハートフォード近郊の人種的に統合された学校の中学校1年生をを対象に実験を行った。

 

教員は新年度が始まって、担任の生徒全員に一人ひとりにの名前が書かれた封書を渡した。

 

この時に、生徒をランダム化に2つのグループに分けた。

 

半数の生徒には、最も重要な価値(家族関係、友人関係、何かに秀でていることなど)を3つくらい挙げて、その理由を1行くらいの短い文章で理由を説明してもらった。

 

つまり、このことによってナラティブを構築させた。

 

作業が終わった後、用紙を封筒に戻して先生に渡した。

 

それから学期中に定期的にこの作業を繰り返した。

 

一方で、残りの半数の生徒には、自分にとって最も重要でない価値観を書き出し、それが他の人にとっては重要かもしれないという理由を書き出してもらった。

 

つまり、このグループには自分をを肯定するナラティブを構築する機会が与えられなかった。

 

その結果、自己肯定化した生徒は学期が始まってわずか3週間で前年度の成績を上回った(ただし優秀な黒人は除く)。

 

さらに、前年度に最も成績が悪かった生徒の成績が最も改善していた。

 

そして、これはどんな授業にも当てはまった。

 

また、自己肯定化作業により、生徒たちが学期全体を通して、人種的ステレオタイプについて考える時間が減った。

 

そして、その生徒たちは成績の低下が止まり、白人生徒との成績格差は40%も縮小した。

 

一方で、自己肯定化作業をしなかった黒人生徒の成績は下がり続け、学期が進むにつれて、人種間の成績の格差はより大きくなった。

 

さらに、自己肯定化作業した黒人の生徒の成績は上昇し続け、白人生徒との成績の格差はその後2年以上にわたり縮小し続けていった。

 

ただ、自己肯定化作業をした白人生徒の成績は上がらなかった。

 

研究者は、「この介入は幅広く蔓延している強力なステレオタイプの脅威にさらされている生徒には所属集団を問わずに成績が改善すると考えていた。ところが、この教室では白人集団は人種的アイデンティティに基づく脅威を感じていなかった」という。

 

また、研究者たちはこのこの効果の理由を説明するために、コロラド州近郊の学校で、今度はヒスパニック系アメリカ人を対象にして実験を行った。

 

まず、自己肯定化の仕組みの説明をした。

 

作文を書いて自分の能力と価値観を幅広く認識した生徒にとって、初期の悪い成績や教室に存在しているステレオタイプの脅威のサインは減っていった。

 

このために、環境に対する警戒心が解かれ、勉強に集中する精神的余力が生まれ、成績が上昇した。

 

その次の理由は、成績が上昇したことで悪循環が断ち切れたことだった。

 

これに対して、自己肯定化作業をしていなかった黒人生徒は、悪循環が顕著だった。

 

つまり、初期の挫折と教室に置いての脅威のサインが不安を募らせ、それが成績の低下を招き、さらにそれが不安を招き、成績の低下に歯止めがかからなくなった。

 

研究者たちは、「黒人、すなわちステレオタイプを持っている集団は初期の失敗(とステレオタイプの脅威的なサイン)に対して大きく心理的脆弱性を示した。彼らの初期の失敗がそのステレオタイプを学業面で成功を収める能力に関する昔ながらのグローバルな指標として追認してしまったと感じる。自己肯定化作業は、ここで彼らの自尊心を強化することにより、適格意識を維持する助けになるとともに、初期の成績不振がその後の成績や心理に悪影響を与える連鎖を断ち切った」と説明。

 

ちょっと一言

いかがでしたか。

 

これは多分、「自分はマイノリティーなんだ」と思っている人こそこの方法は使えるはずです。

 

ですので、まずは最も重要な価値観を書き出して、理由も書き、それを定期的に何度か繰り返せば自尊心が強化されるので、何でも良いので目標なんかあるとそのことだけで達成しやすくなると思います。

 

ようは、自分にもできるんだという自己肯定感が生まれればいいのです。

 

で、価値観の探し方はこの研究では15分くらいだったので思いついたものをいくつか並べてしっくりくるものを選べばいいと思います。

 

参考文献

Reducing the Racial Achievement Gap: A Social-Psychological Intervention